【産科医療補償制度Vol.3】”疑うようでごめんなさい”という気持ちと向き合って

産科医療補償制度の相談体験談 赤ちゃんの笑顔 産科医療補償制度のこと

導入:産科医療補償制度を調べることへの罪悪感

お子さんの発達に不安を感じながら、産科医療補償制度について調べている方の中には、「病院を疑っているみたいで申し訳ない」という気持ちを抱いている方も多いのではないでしょうか。

私自身、息子が5歳目前で歩けず話せない状況にありながら、出産時に大きなトラブルがあったわけでもないのに制度を調べることに、強い罪悪感を感じていました。

**この記事では、その複雑な気持ちとどう向き合ったか、そして産院に相談した時の体験をお伝えします。**同じような気持ちを抱えている方の参考になれば幸いです。


何もわからないまま制度を調べはじめた私

「でも、うちの子は今も歩けません」

産科医療補償制度のパンフレットを手にしてからずっと、心の中にあったのは複雑な気持ちだった。

息子はもうすぐ5歳になるけど、自分の足で立ったり歩いたりすることはまだできない。おしゃべりも、まだ。でも「脳性まひ」と診断されたわけでもなく、確定診断もついていない。

それに、出産時に大きなトラブルがあったという話も聞いていない。NICUに入ったわけでもないし、分娩中に問題があったとも言われなかった。

そんな状況で制度を調べている自分が、どこか「疑ってるみたいで申し訳ない」って感じてた。

勇気を出して産院に相談してみた

複雑な気持ちを抱えながらの電話

私が通っていた産院は、産科医療補償制度にしている医療機関でした。診断がないまま聞いてもよいのか迷ったけど、勇気を出して電話した

制度対応の看護師さんが丁寧に話を聞いてくださったあと、私は申し訳なさそうに切り出しました。

「出産時に大きなトラブルがあったわけではないのですが、子どもが5歳目前で、まだ歩けず話せないんです。確定診断もなくて…でも、もしかしたら小さな異変があったのかもと思って…」

看護師さんからの意外な言葉

話を最後まで聞いてくれた看護師さんは、「それは大変でしたね」と優しく声をかけてくださいました。

「確かに、当院でのご出産に大きなトラブルの記録はありませんが、制度に関わる可能性がゼロとは言い切れません。お子さんの今の状況を踏まえて、出産当時のカルテを確認し、振り返りが必要です」

私が「もしなんともなかったら、本当にすみません」と何度も伝えると、看護師さんはこう言ってくださいました。

「お母さん、そういうふうに思わなくて大丈夫ですよ。お子さんのために気になることは調べる。それが私たち医療者の仕事ですから」

その言葉に、胸の奥にずっとあった「疑ってごめんなさい」の気持ちが、少しずつほどけていった。

“調べること”は”責めること”じゃないと気づいた

罪悪感の正体

私が制度を調べることに罪悪感を抱いていたのは、**「病院やお医者さんを責めているように感じるから」**だったのかもしれない。

でも看護師さんの対応を通して、調べるという行動は「責める」ことではないのだと知った。

結果として対象外だったとしても、ちゃんと確認することには意味がある。むしろ、それを怠って後悔する方が、ずっと怖い。

「調べること」は「我が子を守るための行動」

制度について調べているお母さんたちが「こんなこと聞いていいのかな」って迷ってしまう気持ち、すごくよくわかる。私も同じだった。

でも今なら言える。**「調べること」は「我が子を守るための行動」**だと。

まとめ:同じ気持ちを抱えるお母さんたちへ

確定診断がなくても、出産時にトラブルがなかったと思っていても、相談していいんです。

息子がかかっている医療機関の方々は、私の母親としての気持ちを汲み取ってくれます。

すべての医療機関が同じような対応をしてくれるとは限りませんが、行動を起こしたあとは、気持ちがすっきりすると思います。

お子さんのために気になることを調べるのは、決して悪いことではありません。
むしろ、それは親として当然の行動です。
もし同じような気持ちを抱えている方がいらしたら、その気持ちを大切にしながら、勇気を出して一歩踏み出してみてください。
きっと、心が軽くなるはずです。

次回のVOL.4では、実際に申請期限が迫る中での具体的な動きについてお話しします。

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